ザ・影 第3話 たい焼きや屋 上田金次郎の場合

第2話 プロゴルファー 八木沢 保の場合 

影、人間に在る影 動物も 花も 木も 必ずある その影は本当に貴方の影ですか?

これは  1話完結の 影の物語です。  

第3話 たい焼き屋 上田 金次郎の場合

貴方の町にも在る 歯医者さん 

沢山在る中 気に入った 歯医者に行きますね

ガーガーガガガ 歯お削る音が 院内に響いている

「ハイ 今日は終わりです」 

「先生今日は早いね 忙しいのですか?」

「上田さんは 次回で入れ歯入れたら 最後ですよ」

「そうですか 商売はもうからないので 安くしてくださいよ」

「大丈夫ですよ 保険でやりますから」 

歯医者を出て車に乗り

「くそ!また金が要るな」

車の中で 独り言を言いながら 家路に急いだ 

「明日から タイ焼きの値段上げ様うかな?」

色々考えて 結局値上げは 辞めて おくことにした

  

その時

「もっと 儲けろ」

と金次郎の 耳元に声が聞こえた

「うん?誰だ!」

辺りを見回したが

だれも居ない 

又声が聞こえた

「あんこの質を 落とせば 今の2倍は 儲かるぞ」 

「誰かいるのか?」

不思議がる 金次郎 確かに あんこの質を 落とせば儲かる 

「そうだな」

金次郎の胸に フ~ッと 悪い考えが棲みついた

「よし明日から 質を落として もうけよう」

今までは 北海道産の 高級小豆を 使っていたのを

安い外国産に切り替えた 

「素人には 小豆の味は 分からないだろう」

すると また耳元で 囁き声が 聞こえて来た

「そうだ素人に 国産か外国産か 分かる訳ない どんどん設けるんだぞ」

「またか!誰だ?」

「俺だよ お前の影だよ」

驚く金次郎

「 噓だろう?影がしゃべるなんて?信じられん」 

「お前が 金、金と言うから 儲けさせてやろうと

 知恵を貸してやるのさ フフフ」 

不気味に笑う影

上田タイ焼き屋は 美味しいと評判で 

普段でも行列ができる店で有った

「いらっしゃい~」 

掛け声と共にバンバン 売れるタイ焼き

「おじさんタイ焼き10個」

「ハイョ 有難うな 兄ちゃん」 

ウハウハ 売れて ククク コレは儲かるな

ニコニコ顔の 金次郎 

だが 一日 二日 三日経つと

お客が パッタり来なくなった 

そんな時 以前タイ焼きを 10個買ってくれた 兄ちゃんが店に来た

「お!兄ちゃん いらしゃい~」 

笑顔で 応対する上田金次郎 

すると お客の 兄ちゃんから

「おじさん とこの タイ焼き ぜんぜん 美味しくないよ

 あんこ ケチったでしょう?」 

ムッとした金次郎は 顔を 真っ赤にして

お客さんの 兄ちゃんに くってかかった

「変な言いがかりを 付けるなよ 

素人が あんこの 良し悪し分かるはずないだろう!」 

すると 

「うちは5人全員が 食べたけど皆まずいと 

言ってどうせあんこを ケチって儲けに走ったな」

と お客に言われ その後 も さっぱり売れず 

閉店に追い込まれた  

タイ焼き屋の店主の心の欲を 

悪い 影が 操って 

金儲けに 走った残念な 結末であった。

                第3話 終   

  

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