(この物語は 事実に元尽いて 一部脚色 構成してあります。)
「お前は何者だ!」
星野が 露天風呂の 影に向かって 指を鳴らした
パチン
鳴らした瞬間
ハッキリと 姿が見えた
黒い影が だんだんと 人間の姿に 変わっていった
「フフフ 俺が分かるのか?」
「お前は 霊だが なぜここに居る その男を離せ」
「偉そうにー 貴様も一緒に 沈めてやるわ!」
星野の前に 駆け寄る霊
だが 近づいた時 霊が 身構えた
「お前!その辺の 霊能者と 違うな」
霊が 星野の周りを 周りだし
「ク、 貴様の体から 溢れる 神光は なんだ お前は神か?」
「神ではない!私は 天魔師だ」
驚く霊
「天魔師だと 笑わせるな 聞いた事も無いわ」
「私は 宣伝はしていないからな! 早くその男を離せ」
「何だと 俺を怒らせると 痛い目に合わせるぞ」
態度のデカイ 霊に 少しイラッとした 星野は
「霊よ もう一度だけ聞く 何者だ?」
「俺か 俺はこの温泉の 裏にある 兵子山の主だ」
「山の主!お前の様な 乱暴者が 主で有るはずない」
「本当の事を 言ったら どうだ」
「チッ、 ばれたか 俺は山男で 兵子山で遭難したんだが 最後に入ったのが この露天風呂なんだ
だから この露天に入ってる奴が 悔しくて 憎いんだよ だから お前の連れも 沈めてやる」
「そんな事をすれば お前は暗黒の世界に 行くことに成る 私が お前に相応しい世界に送り届よう」
「何だと お前の様な若造に 本当に出来るのか?」
「霊よ 私を 見るが良い」
天魔師星野は
胸の前で印を結んで 真言を唱えると
星野の体全体から 黄金の光が 輝き全身を包んだ
眩いばかりの光に
「オオこれは! お前は本物なんだな 初めて出会ったぞ本物に そうか では俺を救ってくれるのか」
「まず その男を離せ お前に 相応しい世界に送ろう」
「さんざん 悪さしたからな 地獄は嫌だ」
「心配する事は無い お前は十分反省している 然るべき場所に 送り届よう」
「おお!天魔師よ頼む」
星野は 印を結び 南無真言・・・・・・
すると 山男の周りに 青い渦が舞い降り 男の全身を包んだ
「あ~気持ちイイ~ すまんな 天魔師 さらばだ~!」
やがて 上空高く 渦に包まれ 消えていった
「ふ~疲れた」
星野は 高野を 引き上げ
お「高野 しっかりしろ」
ホテルの従業員が 駆けつける
「お客さん どうしたのですか?大丈夫ですか」
慌てるスタッフに星野は
「長湯しすぎて のぼせた だけだから」
気が付いた 高野は
「足が滑って 湯舟の中に 落ちたみたいだ すいません」
とスタッフに 平謝り
ビールでも 飲んで 気を取り直せと 星野が ビール瓶の栓を開けた
「高野 気を付けてくれよ」
笑いながら 乾杯~
星野は ふと 青空の彼方を見ながら
「山男素直に 昇って行ったな そんなに悪い霊では なかったな」
プファ~ ビールが美味い 二人は 温泉を満喫しながら
明日から又 仕事か~フ~ッと ため息をついた。
第7話 終