妖獣ハンター 魔衣 第三話 深海の妖獣オクトカイ vs 妖獣ハンター魔衣 

” ザバー” 一台のクルーザーが、波を けちらしながら敦賀の海を走っていた。 

やがてクルーザーは ゆっくりと停止船上には、四人の男女が乗っていた。

「わー、きもちいわー」  「最高!」 「どうだ、ここで大麻(麻薬の一種)パーティやろう」

「おう、待ってました」男がナイロンの 袋から大麻を取り出すと女の子に吸う様に言った  

「ヤバクない?」 「刑務所行きだよ~」   「平気、平気ここは海の上だぜ!」

「そうだよ、治外法権と言うやつさ」  「そう、そう警察も管轄外さ」ともう一人の男が、

「おい、火を貸せ」やがて船上では大麻パーティが始まった。「わははは、気持ちいい!」

など叫びながら  

「さー音楽だ」ラップミュージックが 大音響で響き渡る。音楽に合わせて踊りだす、グラグラ

ゆれる クルーザー。ドカン~   大きな音が  

「なに!今の音?」「へへへ、気にしない。魚でもぶかったん じゃないかな?」何気なく、

海面を覗いた。女の子は  「ぎゃー」 「どうした?」 「誰かがいる?」  

「馬鹿な事を」 覗き込むと「ウワー」 男は驚いたひょうしに、 海の中に転落した。

「おい、どうした?」「おぼれる~早く助けてくれ~」 もう一人の男が 駆けつけて海を

見るとそこには首の無い 死体が浮かんでいた。「げーっ」 海に落ちた男は、必死で

船に 這い上がり「やべー、早くずらかろうぜ!」その時、又もドカン~ 大きな音が

「く!首なし死体なんか、見たくも無いぜ」ザバーアァ 「キャー」 突然、海の中から 

気味の悪い、物体が現れた。「うわーなんだ?」 「怖い~」 四人は船尾の方に逃げる。

「ふふふ、俺は頭が好きなんだ。特に人間の頭が!ワハハ」

「ゲ~怪物だ!助けてくれ~」  「きゃーやめて!!」 その物体は、口の中から  

ネバネバした溶液を、四人に吹きかけた  「ぎゃー助けてくれ~」   「わ~体が~」

溶液が四人を包み込んでいく  「誰か助けて~」 叫び声が むなしく大海に消えていく

「魔衣、夕飯の支度を手伝って!」 ママの 声に階段を降りてくる。

「今日は、何作るの?」  「トン汁とハンバーグよ!」「えーどうゆう組み合わせ?」

「文句を言わないの」やれやれ、とんでもない組み合わせの 料理が晩御飯か?

「ハンバーグお願いね!」「ハイハイ。あ!そうだ TVつけてもいい?」 

「いいけど、ニュースしかやってないよ」「うん」 リモコンのスイッチを入れると、アナウンサーが

「今日、漁船が敦賀の 沖30キロ付近で、漂流するクルーザーを見つけました。

船上には、四人の男女の死体が見つかり、しかも全員首が無く、 警察で殺人事件

として捜査していると 伝えていました。

「怖いわね!魔衣、確か敦賀に泳ぎに行くって言っていなかった?」

「うん 五人でね」 「駄目よ、事件があったばかりじゃないの」

「え~だって、直美のお母さんが車で連れて いってくれるんだもん」

「今回は駄目です!」  「だったら、ママが直美のお母さんに断ってよ!」

 そこへパパが帰ってきた。「おいおい、親子喧嘩か?ご飯の 後にしなさい」 

「パパ、魔衣に言ってよ。事件があった ばかりよ!」

「そうだな。魔衣、今回はママの言う事が 正しい!」「ハイハイ、分りましたよ!」 

「お姉ちゃん、荒れてるね?」と妹が チョッカイを出す。「うるさい!」

「おいおい、今度は姉妹喧嘩か?」のパパ の声に二人は「・・・・」食事が終わり

魔衣は自分の部屋に「あぁ~せっかく楽しみにしていたのにな~」”コンコン” 

部屋の窓ガラスを叩く音が、「あ!シバだ。久し振り」 

「おう!しばらくだな?何を荒れているのだ」  「ううん、何でもないよ!」

「ハハハ、顔に書いてあるぞ」 「なんて?」「敦賀に行きたいと!」フーッとため息をついて 

「ああ~ついていない!」「ふふふ、そうでもないぞ!」 「ウソ本当にー」

「魔衣、さっきのニュース見たろ。あれは ワシの観たところ、妖獣だな!」

「本当!!」 「じゃー敦賀に行くの?」 「おう、もちろんさ!」 「やったー」喜ぶ魔衣に、

「ワシの記憶では、確か オクトカイと言う妖獣だと思うがの~」「オクトカイ?変な名前」

「よいか、よく聴くのだ。やつは、海の底が住みかだ。容易な事ではない! 倒すのは難しいぞ!しかも、深海にいるからな。お前の体では あの水圧には耐えられないだろうし・・」

「何か名案でもないの?300年も生きて いるのだから?」

「うーん。まてまて、待てよ?」「魔衣、お前は無限の可能性がある。どうだあそこにある、

ミッキーの ヌイグルミを こちらへ瞬間移動出来るか?」

魔衣のベットの上に、ミッキーマウスの ヌイグルミが座っていた。

「えー、無理だよ。そんなん!」 「ま!いいから、やってみろ」 魔衣はミッキーを見つめる。

「だめだ!動かんも~」

「動かないと思えば、動くはずが無いだろう 余計なことを考えず集中するのじゃ」

「・・・」  「やっぱり、だめだ!」「魔衣、これが出来ないとオクトカイには

勝ことが 難しいぞ?」 「う~んやっぱりダメダ!」  

「3日間の時間がある。その間にマスターするのだぞ、ワシは帰るから!」

「待ってシバ、ヒント無いの?」  

「なに?ヒントじゃと、仕方が無いの~心一つ、これがヒントじゃ」  

 「心一つか!難しい~」 カア~カア~シバは大空高く飛んでいた、

やがてカラスの 集団がシバに近づき「シバさま」 

「ム、何かわかったか?」シバは手下の カラスに妖獣の事を探る様に命令していた。

「ハッ、一つだけ大変な話を、聞き込ん 参りました」「大変な話?聞かせてもらおう」 

それは、魔衣が使う伝説の剣(つるぎ) ブレードにまつわる、話であった。

「伝説のブレードがどうしたのじゃ」ブレードが二本有る事は

妖獣ゴリヤスから 聴いていた。一本は魔衣が、もう一本は 魔界の奥深く、征殺山に

有る事は(読者の皆さんはご存知のはず)その魔界に有る剣(つるぎ)が最近

動いたと 噂されている事。二本の剣(つるぎ)を手にした者が悪ならば

闇の世界に成り 善が手にしたら輝く 世界に成ると、さらに世界を我が物に 

闇の支配者にならんとする者が多く、 伝説のブレードを狙っている事。

魔衣がブレードを使えば、その波動を感じ取り 世界中の妖獣が

日本に集まって来る 事などをシバに話した。

「恐ろしい事に、成るかも知れんな!あの子がもう少し成長するまで、 時間が欲しい」

カラスのシバは、今は怖い物知らずで戦っているが、これから本格的に妖獣との戦いに 

入っていく魔衣を 一瞬可愛そうに思った。

[イカン、イカン。ワシが弱気でどうする!]無限の可能性秘めた 

魔衣なら 正義を守れる!)「シバ様」 「うん!・・・」「お顔の色が悪い様ですが、

いかが いたしました?」「いや・・・何でもない」 

「もう一つはオクトカイの事ですが、奴の武器はヘドガーと言う、溶液です」

「ヘドガー?聴いた事無いな?」 「ハッ、くれぐれも ご油断なく」 「ご苦労であった」

キン~コン~、カン~コン~学校のベルが鳴り、3時間目の授業が終わり

昼食の時間に  「魔衣、今日のおかず何?」友達の クルミと由美が声をかけた。 

「え~まだ見てないけど?」「魔衣のママは、料理が上手いからいいな~」

弁当を広げながら「そんな事ないよ!クルミのママも上手いじゃん」 

「ダメダメ いつもワンパターンだから!」「お!卵焼きに魚じゃん?」 

「ヤ~ホ まぜご飯だ ラッキー」お互いの おかずを取り替えっこしながら、食べていた。

「ね?最近、魔衣一点を見つめて ボ~としていない?」 と由美

「え!ああ。念力で動かないかなと思って、練習してるの」 クルミはゲラゲラ笑いながら

「バカみたい?超能力番組の見すぎだよ!出来るわけ ないじゃん」 「確かに・・・」

「だいたいね、スプーン曲げだって インチキが多いじゃん」クルミの言葉に、確かにその通り

なんだけど、今回は自分の為ではなくこれ以上 犠牲者を 出さないため、必死で練習

する魔依。学校の帰り道 (あ~あ、後一日しかないな。自分を信じるしかないか?)

ふと見ると、猫が塀に飛び乗ろうとしているが、塀が高すぎ迷っている様子であった。

(あそこに乗りたいの?)魔衣が思った 瞬間猫は塀の上にいた。(あれ?どうして) 

塀の上にいる猫も、どうして自分がこの場所にいるのか理解出来ない様子だった。

「もしかして?え!出来たのかしら?」信じられない様な気がして、家に急いで帰る。

「ただいま~」 「今日は早いのね~」ママの声を後に、部屋に駆け込む。

ベットにカバンを放り投げ、ミッキーの ヌイグルミを見た(こちらへ?)思った瞬間 

ミッキーがベットの上から、勉強机の 上に移動した。「やったー、やったー最高~」

もう興奮状態の魔衣である。一度できると、続けてやりたくなる。次々成功して

「出来るわ!何度でも」 さぁ明日シバが来ても大丈夫。「早く明日が来ないかな?」 

心ウキウキの 魔衣に 妹が、「なに?彼氏でも出来たの?」

「バーカ、ナマ言って小学生が!」 「ふん!私はいるもん、彼氏が!」

「ガーン、うそ!何で私に いないのに?]

「ふん!お姉ちゃんより、私の方が可愛からね~」 ショック!妹に彼氏が?

 「あ~もう立ち上がれない~」 しかし、気を取り直して 「出来たから いいか?」

「赤ちゃんが?」 妹の一言に

「ム!あんたね~、 ませ過ぎだよ本当に 彼氏がいないのに、 なんで赤ちゃんが

 できるんだよ?」 

「あ~そうか、そうだよね! へへへ、ごめん。つい調子に乗って」(笑い)

「もう、ドキッとする事言わないの! わかった!」姉妹喧嘩も終わり、

仲良くTVを見ていると 又も敦賀沖で今度ははえ縄漁船が襲われ、

乗組員が全員死亡していると、伝えていた。(妖獣の仕業だ!もう、許さないから)

翌日、”コンコン” シバが窓を叩く「シバ、出来たよ!物体瞬間移動」 

「そうか!やったな!」  「心一つになれば、何でも出来るね!」

「お前なら、出来ると信じていたよ」「さ~これからが本番だ!行くぞ」   

「何処へ?」「国立海洋研究所だ!急げ!」  「海洋研究所?何しにいくの?」

「ふふふ 行けば分る」 ブ~ンン~ テレポートし研究所に。

「確か地下2階にあったはずだが?」 「あった、あった」シバが指差す方に変な乗り物が 

「何?あれ?」「ふふふ、あれが 海底調査船、深海さ!」 「どうするの?」

「深海は12000メートルまで、潜る事が 出来るのだ」 「凄い~」 

驚く魔衣にシバは 「さぁ乗り込むぞ、深海の操縦を 覚えるのだぞ」

「全てコンピュータで操作する様に、作られているからな」 「どうして?潜水艦なんかに?」

「魔衣がこれに乗ってオクトカイと 戦うためにな!」 「ゲ!そんな」

「いいから練習、練習!早く覚えるのだ」 シバの言葉にシブシブ うなづく魔依やがて、

操縦方法をマスターした魔衣は、 「夜に行くの?」「ああ、海の底では不利だがな」

シバの言葉に 気合を入れ直す魔衣。やがて夕日が落ち、夜に魔衣は海洋研究所 

地下2階にいた。「さー魔依 これを敦賀沖まで、物体移動させるのだ!」

「こんなデカイやつを?」「大きい、小さいは関係ない!」 「うん、分った」心を一つに

集中してハーッ! 潜水艇の周りの空気が震えると見事に調査船 深海は 

敦賀沖まで 瞬間移動した。「いいぞー、最高だ」  「やったわ!」  

「ワシらも敦賀に行こう!」 テレポートで敦賀沖に海洋研究所から、瞬間移動で運んだ

深海が波に浮かんでいた。「あった、深海だわ」  「よし乗り込むぞ!」

「いよいよ、戦いだね!」   「海の中は不利だがな!」深海はズブズブと沈んでいく、

ゴゴゴ~「今、深度はいくつ?」 「5000Mだな」

「ソナー(探知機)作動開始」ピピピ~ ソナーが探査し出した。

「シバ、こんな広い海でオクトカイが 分るの?」 「ライトオン」 スパーッ 

明るいライトが 光る。

「任せろ、探査音の中に妖気を入れて おいたから、やつは必ず嗅ぎ付けるさ!」

「ふーん。そんな事が出来るんだ?」

「ワシは だてに300年も生きてきた 訳ではないぞ」 やがて深度6500M付近

「魔衣どうだ、何か感じるか?」  「あ、あれは何?でかいの!」

「うん!あれは大王イカだ?」  「大王イカって?」「世界最大のイカの仲間だ」

「生まれて初めて見た。でかいけど、まずそう」 

「やれやれ 子供だな まだ食い気が先か?」「何にか言った?」

「い、いや!それより、周りを良く見て 見逃すなよ」その頃、 妖獣オクトカイは、

深度6000Mにいた。 ピピピピ~「妖気の音がするな?」 敏感に反応する 

オクトカイ「珍しいな、妖獣の仲間がこんな所まで、来るとは?」

オクトカイは仲間を探しに 洞窟から出て 浮上しだした・・・・

「シバ、本当にこの近くにいるのかな?」 「ふ~・・・・」その時、ソナーが激しく鳴り出した 

ピ~ピ~ピ~「居るぞ近くだ。魔衣、画像モニターに出せ」 「OK」 モニターは何も映っ

ていなかった。「いないね!」魔衣がモニターの向きを変えた。その時  グラグラ~

探査船深海が、激しく揺れた。「おお!見ろやつだ!」モニターに オクトカイの姿が!

「お前ら、俺の仲間じゃないな?何者だ!」 

シバが「オクトカイ、これ以上の人の命を奪うと、お前が消滅する事になるぞ!」

「何だと! ワハハハ・・ この俺を海底でか?バカなやつ」   

「よく聞け お前はこの深海で、おとなしくしていれば、我々も見逃したものを!」

「ククク・・それで!何が言いたい」 殺気が流る。

「フフフ、ここは俺の世界だぜ!死ぬのは お前達だ!」グワーァー グワーン探査船が

大きく 揺れた。「魔衣、仕方ない!攻撃だ」 「うん、オクトカイ行くよ!」

「ケッ! 子供が俺に勝てるのか?」魔衣はすぐさま、ムービングクロスファイヤーを放った。

”バシュー” だが、ファイヤーは オクトカイの前で消えた。「え~何で?」  

その間に 素早く探査船の上に 回ったオクトカイは口から ヘドガーを吐き出した。

白い妖液が探査船を包み込む。「やつのヘドガーだ。魔衣振り払え!」 

「だめ!操縦が利かない!」ドロドロ~と探査船がヘドガーに 包まれていく。魔衣の両手

からクラッシャービームが バリバリと音を立てながらヘドガーに当たる。

「ワハハハ。この深度5,200メートルではそんな ビームは水圧に負けて利かぬわ!」

オクトカイの言う通り凄まじい水圧が 魔衣のビームの力を半減させていたのである。

「此方から行くぞ! ワハハハ、くらえー」 ”ボム”鈍い音と共にスクリュウドラグが探査船

に命中。”グワシャーン”衝撃で床に叩きつけられた。「うう、腕が!!」「魔衣どうした?」 

叩きつけられた 時右腕に 激痛が走る。「腕が折れたみたい!」  

探査船がミシミシと音を立てる。「ワハハハ、このまま押し潰してくれるわ!」 

”ガッシ”っと潜水艇に張り付いた。「いまだ! 魔衣、電撃ビームを撃て!」  

「う!痛い!」右腕をかばいながら 魔衣は左腕から 電撃ビームを放った。 

ビリビリビリ 電撃ビームがオクトカイに命中。がオクトカイは、全く平気な顔で

言い放った 「まだ分らんのか?この水圧にでは何も 利かんわ!」

「くそ~。魔衣、大丈夫か?」  「シバ。私たちここで死ぬの?」

「バカな。最後まで諦めるな。」”ビシビシ~”少しずつ海水がハッチの 

スミから流れ込んでくる。「ワシが甘かった この海底ではやつには 勝てんか!?」

その時、魔衣の頭に聞き覚えの有る声が 響いた。

(魔衣・・)「その声はDOUSN様」(落ち着きなさい)「どうすれば?」(・・・・)

(魔衣 思い出しなさい。物体瞬間移動の事を!)「どうすれば?」(・・・・)

「DOUSN様!!」(・・・・)その間に 海水が腰の辺りまで深く なっていた。

「もうすぐお前達は ペチャンコになって 魚の餌だ! ワハハハ」

”危険です危険です”の警報が船内に 鳴り響く。

ジ~ッとDOUSNの言葉を考えていた魔依 「そーかあ!分った!」   

シバ「突然どうした魔衣?」  「オクトカイ、覚悟はいいね!」  

魔衣は静かに目を閉じた。「バカめ。俺のセリフだ!死ねー!!」

その瞬間、魔衣はオクトカイ共々海上に 瞬間移動した。「ゲ~エ。こ、こんなバカな!」

急激な水圧の変化にさすがのオクトカイの 体も一瞬にして膨張してアドバルーンの様に

膨らみ、爆発した。 ”ギャオーン。”  「ハア、ハア、やった。」

「おお魔依!お見事だ!良くやった。」  「ハア危なかった もし!」  

「もし どうした?」  「DOUSN様が来て下さらなかったら!」    

「それは本当か?」 「いずれシバにも分るわ!」  

「なるほど。それより腕の怪我は大丈夫か?」 「うん。」魔衣たちは潜水艇の 

おかげで水圧の変化に も耐えることが出来たのである。

”ジリジリ~”目覚まし時計が激しく鳴る。

「魔衣、遅刻するわよ~」のママの声が あ~また学校か! 魔衣はベットから起きて 

洗面所で顔を洗っていた。その時妹が「お姉ちゃん夜中に何処へ行ってたの

と聞いてきた 「え!何処も行っていないよ ちゃんと寝ていたよ」 

「おかしいな 確かに居なかったのに」 

「チョットあんた!夜中に人の 部屋覗いたの いやらしい!」妹は 慌てて

「違うよ 夜中に地震が有ったから怖くて お姉ちゃんの部屋に 逃げてきたんだよ!」

「え!ああ!私も怖くて トイレに隠れて いたんだよ」 「なんだ~そうか それで!」

「うん!いけね~もうこんな時間だ」それ~急げ 「早くしなさい」

ママの声が悪魔の叫び声に聞こえる 「ハ~イ今行く。ダダダ~と階段を 駆け下りる 

「何時までも 寝てるからよ二人とも」 魔衣は 素早く焼けたパンを口にくわえると玄関

から 猛ダッシュ 「 いってきます~」 「あ~んお姉ちゃん待って~」                     第3話  完

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