幽界犬 ナナの 霊界事件フアイル 第一話 金沢 赤い服着た女

幽界犬 ナナの 霊界事件フアイル 

本当にあった怖い話

著者の言葉 西 がじょう

サイキック ドック 幽界犬 ナナの事件ファイル            

 

M、ダックスが 霊界の謎を解き 事件を解決して行く 

全く新しいジャンル人間の言葉を 自由に話し 

人間には見えない霊を相手に勇敢に戦うミニチュワダックス ナナ 

一気に読んでしまうほど スリルとスピード感に溢れた 今までに無い 面白い小説が出来上がりました。

そもそも知人の Oさん方で Mダックス ナナちゃんに会った時私の頭の中に ピーンと来た物がありました。

そうだ!このナナちゃんを 素材に私の本業 心霊小説を書く事が出る。 

私はそう 直感しましたが そこから私の苦悩が始まりました(笑)

ワンちゃんが 人間並みに喋る 訳ですから・・・

色々苦労も有りましたが 今回の出筆にあたり 

ご協力頂いた多くの関係者の方々に 厚く御礼申し上げます。                                                

ミニチァダックスフンドのナナちゃん, 犬の中にも優れた霊能犬が存在するが、多くの人はその存在を知らない。

ある時、謎の霊能者によってナナの幽界犬としての使命が目覚めたのである。

幽界犬とは ・ ・ この世とあの世の狭間に幽界というものが存在る。 

幽界の世界を行き来して悪霊を退散させ除霊することができるサイキック ドックの事である幽界犬 ナナ が挑む! 謎 !そして恐怖の戦慄の真実! 

皆さんのペットにも不思議な能力があるかも知れません。

幽界犬 ナナのデータ  

犬種 ミニチァダックス (雌)

霊が観る事ができる・霊と話ができる・霊を祓う事ができる・もちろん、

人間と話す事もできる。

IQは人間並の120もある。普段は、普通の犬。まだ1年8ヶ月なので、

時々ドジル事も?(笑)

第一話 金沢 赤い服着た女

私の名前は ナナ ダツクスフンドの女の子です 

朝6時30分に 私のご主人夫婦を 起こすのが 毎朝一番の仕事 もちろん それだけでは無いのよ!

私は 人間としゃべれる?のよ ふふふ 

おまけに 人間には見えない 霊を見る事が出来る 幽界犬 なの ビックリした? 

もちろん ご主人夫婦以外 知らないナナの秘密なの え!なぜ犬が喋れるの?

それはねナナが1歳の時ある人間の 霊能者に 合ったのが キッカケで 人間と話す事が出来る様になったのよ。

もう一つ不思議な力も。

その霊能者の話は 機会が有れば お話するとして 早く起こさないと あ~忙しい

ナナ「ワンワン 朝だよ~」

健吾「 うう~ん ナナ おはよう!」

健吾「ナナ 今日はチョツト早くない!」

ナナ「ワン 今日は特別な日だからね」

健吾「特別な日?」 

モツソリ起きて来たのが 私の主人夫婦 

落合 健吾(26歳) ミサト(23歳)新婚2年目の若夫婦です。

健吾「ナナ 特別な日て?」 

けげんそうな 顔して健吾が 聞いてきた 

ナナ「アハハハ 私が始めて 読者の前に登場するからよ!」

横から 妻のミサトが 

ミサト「え~ナナ 有名人 いゃ 有名犬に成りたいの?」      

ナナ「フン!そんなつもりは無いわよ」

ミサト「アリャ ナナが怒った!」

ワンワン アハハハハ と まあこんな 調子で                            

毎朝 始まります

ナナ「さ~餌を いや朝食を食べよ~と」

バタバタと 派手な音を立てながら キッチンに降りて行く 

健吾は顔を洗いに 洗面所に 

ナナ「人間は 面倒だよね イチイチ 水で顔洗うんだから 私なら 前足で」

チョイチョイと 顔を洗う? 

ミサト「何時だ!さ~食べて 会社 会社!」

健吾は新聞を 見ながら 朝食のパンとサラダを 食べていた。

ミサト「ナナは これよ」

妻のミサトが ナナ専用のお皿に ドックフードとトマトを出した。

ナナ「ゲ!また トマト 口の周りが 汚れるから いやだと言って いるのに!」

ブツブツ 文句を言いながら 食べる ダックス フンドの ナナ(1歳8ヶ月)

ミサト「ねえ!あなた~ 今度の日曜日 金沢に住む姉から 一度遊びに 来ない~と電話が 有ったの 結婚式で会った以来だから  行こうか?」 

新聞から目を離し コーヒーを片手に 妻のミサトを見ながら 

健吾「金沢か いいね~チューリップも咲いているかな?」

ナナ「ワン 久し振りに 遠出が出来るわ!」

健吾「ナナも行くのか?でもな~」

ミサト「あなた ナナを連れて行くのが 嫌なの?」

 慌てて 弁解する 健吾

健吾「いや!前に 車に乗せたとき シッコ 漏らしたからな!」

ウ~ワンワン

ナナ「あれは 私がまだ 子犬だったからよ 失礼な!フン もう乗ってやらない!」

ナナの剣幕に驚いた 健吾は

健吾「ごめんごめん 新車だから つい!」

 ミサト「あなた ナナが可愛そうじゃない 昔の事を言ったら!」

すまん すまんと

頭をなでる 健吾 

ナナ(ま!事実だから 許してやるよ)ワン ワン

いつてらしゃい~ 出社する 夫を見送る ミサト まだまだ お熱い二人です。

ミサト 「ナナ 散歩に行くよ~」 

毎朝 ミサトとナナの 日課です。

ミサト「ナナ今日は 神社の方に 行って みょうか?」

私は いやな予感がしたのですが

ま!いいかと 歩き出しました。 いっもの 喫茶店から右へ500メートル位行くと

古い氏神さんが 祀って有る 神社に 出る フンフンフン♪ 鼻歌を歌いながら

ミサトはナナを連れて 神社に近づいた。 

ウ~ワンワン いきなりナナが 神社目掛けて 吼えまくる 

ミサト「どうしたの?ナナ」 

その時 ナナの目の前に白い煙の様なものが フワフワと していた

ナナ「ミサト 気を;つけて !」

ミサト「え!何か有るの ナナ どうしたの」

白いフワフワした煙が やがて 人姿に変わっていった。

もちろん 普通の人間には 見えるわけは無い

ナナ「ワン 誰?」 

老婆「お前は ワシの姿が見える様だね!いつもココを散歩しているから大事な事を 教えてやるよ」

ナナには 白い顔した老婆に見えた。

ナナ「大事な事?人間にとって、それとも 私?」 

人影はギョロリと ナナを 見ながら

老婆「いいかい良くお聞 今度の金沢旅行は 落合夫婦に 災いをもたらす事に成る!」

ナナ「災い?何の事ですか?」

老婆「行けば 分かる…・」 

ナナに そう告げると 人影はス~と 消えて行った。

ミサト「ナナ 止まっていないで 早く行くよ!」

ミサトには 全く 見えていないから グイグイとリードを 引っぱった。

ナナ「痛いよ そんなに引かないで」

神社を離れて 散歩しながら

ナナ(これは 神社の主から警告だよね)

ナナは早く家に 帰り 今起きた事を 話さないと 思いながら いつもより早足で 帰路についた。

陽子「ナナちゃん 散歩に行ってきたの?」

と ミサトの友人 竹腰 陽子 さんが ナナの頭をなぜた

ミサト「陽ちゃん 来てたの!」

陽子「うん 今来たばかり」

ミサトは 日曜日に金沢に行く事を 陽子に話していた。    

陽子「イイネ~私も行きたいわ」

ミサト「ま!たまには 旦那と 一緒も 悪くないから」

アハハハ と 二人は 大笑い

陽子「ところで ナナちゃんは 連れて行くの?」

ミサト「うん」

陽子は  ナナの方を見ながら

陽子「家の リュウは いつも お留守番だもんね」

ミサト「たまには 連れていったら」

ナナの足を拭きながら ミサトは言った。

家の中で 女二人の機関銃の様な お喋り が 始まった 

私も女(メス)ですが 人間の女にはついて いけない。(笑) 

【竹腰 陽子・・落合 ミサトの学生時代からの 友人で 車で30分位の処に住んでいる 家にパグ犬の リュウ(オス)を飼っている。】

 

夜7時には 主人の健吾が 帰ってくる。

ナナ「ワンワン お帰り」

健吾に飛びつく ナナ 

健吾「ウプ そんなに顔なめんなよ!」

ミサト「あなた 今日ナナがね 神社の所で 変な者見たんだって!!」

健吾は 首をかしげて

健吾「変な者?ナナ 何か居たのかい?」   

私は 今日の散歩の途で 白い人影に合い

今度の金沢旅行に 行くと 災いが 有ると 主人の健吾に 事の次第を話した。

健吾「う~ん しかしな~ せっかく お姉さんからの お誘いだし」

妻のミサトも

ミサト「せっかくだから 行こうよ」

と スッカリ ルンルン気分でしたが

この旅行が 恐怖の幽霊事件に 巻き込まれるとは その時 私も夫婦も 考えてもいませんでした。

北陸の古都 金沢 ミサトの一番上の姉が 呉服問屋に嫁いでいた。

今井恵子は私立高校二年生 自宅から 電車通学の 最中でした。

いつもの通り クラブ活動が終わり いっもの駅から 帰宅の電車に乗っていた。

恵子(毎日毎日 疲れるな~ホントに!) 

乗客は20人前後

以外と空いていた 椅子に座っていた 恵子は 何気なく左右を見た

恵子(何か!暗い感じの人ばかり みたいだな~メールでも打つか)

スマホを取り出した 恵子はメールをチエックしていた。

ゴトンゴトン 列車の走る音が 心地よい眠りに誘う

恵子(後30分はあるな 少し寝よ)

鞄を前に抱きかかえ 

ウッラウッラと気持ちよさそうにしていた。

バシ~ュウ ドアの開く音が聞こえたため 薄目を開ける 恵子

そんな恵子の 前の席に 派手な赤い服を着た 若い女が乗ってきた

恵子(ふん!ハデ女か)

心の中で 叫ぶ恵子 やがて眠気が襲いかかる

恵子(ああ~寝たな~)

フト辺りを見回すと 乗客が増えていた その時

キキキ~電車が 駅に停車した

恵子(何処の駅だろう?)

恵子が振り向いて駅名を読んだ 

恵子「穴川駅 え! こんな駅知らない?」

バシュ~ウ電車の自動ドアが開いた すると 乗っていた乗客が ぞろぞろ降り始めた

恵子(しまった電車間違えたのか?)

車内に 残っているのは 恵子と 派手な赤い服を着た女だけだった。

目の前の女が

女「貴方ここで降りるのよ」 

と声を掛けてきた。

恵子「いいえ私は 違うのです」

女「何言ってるの 此処は終着駅よ」

恵子「え!うそ~そんな」

驚く恵子 

女「さ~私について いらしゃい」

女は立ち上がり ドアの方に近づいた 

その時初めて 恵子は赤い服の女の顔を見た

恵子(顔色が悪い人 病気かしら?)

そんな思いをしながら 言われるままに 電車を降り プラットホームに

ナゼか全員が 北の出入り口方向に 歩いていく 奇妙な光景が

恵子の目に飛び込んできた 

恵子(え!なんで~どうなってるの?)

立ち止まった恵子に 

女「早くみんなの 列に並んで歩くのよ」

周りを見渡すと みんな顔色が 悪く 気味が悪い感じがした。

恵子(どうなってるの これ?)

急に怖くなった 恵子は その場を離れようと したが 足が動かない

恵子「いやだ~怖い」

叫ぶ恵子

女「うるさい 小娘だね お前も 死人なんだろう?」

恵子「死人?」

 

思いも掛けない 言葉に 声が出ない 

恵子「そんな!私は 生きているのよ」

叫んだつもりだったが

声が震えて出ていなかった 

女「さあ!みんなの後をついて行くのよ」

恵子「いやだ~誰かたすけて~」

その叫び声に 数人の死者が 振り向き

死者「おや?この子は 自分が死んだと 気が付いて居ないようだね」

一人の老婆が 恵子の腕をつかんだ 

恵子「やめて~」

腕を振りほどこうと力を入れたとき ”ボキ”鈍い音がして 老婆の腕が 肩から折れちぎれた

そのちぎれた腕は 恵子の腕を 握って離さなかった

老婆「ワシの腕を返せ~」

恐ろしい 形相で恵子に 迫る 老婆 ちぎれた腕からは 腐った 膿と共に どす黒い血が流れていた。

恵子「いや~ああ」

恐怖で引きつる 恵子の顔

老婆「イヒヒヒ 一諸に来るのだよ!」

恵子「キャ~やめて~」

その場を 全速力で走り 逃げる 恵子 

恵子「誰か~助けてー」

ハァハァハァ どの位走ったか 分からない恵子が 後ろを 振り返ると

遠くに 明かりが見えた

恵子「助かった~」

ズンズンと 明かりの方に近づく

恵子「誰か~居ませんか?」

叫びながら 明かりの前まで来たとき 

老婆「ワシの腕を返せ~」

老婆の顔が 現れた 

恵子「ギャ~」 

ガバッと 布団から 上半身を起こした 恵子 

恵子「え!今の夢なの!いやだ~怖い夢」

そんな恐怖の夢を もう3日間も連続で観ている 恵子だった。

母「どうしたの 朝食 食べないの?」

恵子「うん!食べたくない」

そんな娘の様子に

母「ね!何か あったの?」

母親の話しかけに 恵子はここ数日 同じ様な 怖い夢を見続ける

自分が 辛いと 母親に話した。

母「ホント!もしかして 悪霊でも 付いて居るのかも知れないね?」

恵子「いやだ~お母さんまで 変なこと言わないでよ 怖いのだから」

母は家の造りを変えてから 自分の寝付きが悪くなった事を恵子に話した。

恵子「ああ~寝るのが怖いわ」

熱いお茶を飲みながら

母「あ!そうそう 明日は 妹のミサト夫婦が 一泊で遊びに来るよ」

恵子「ホント ミサトおばさんに合うの 結婚式以来だわ」

金沢出発日

健吾「さぁ 金沢まで出発だ お~いミサト 早く乗れよ~」

ミサト「今行く~」

健吾「全く女は遅いからな~」

健吾の言葉に ナナが

ナナ「それって セクハラじゃない!」

と チラリ 流し目で健吾を見た

健吾「なんで?お前も最近 大人びた事言うな~」

ナナ「私は お・と・な・よ」

玄関の鍵を掛けて 出て来た ミサトは ナナと健吾を見て

ミサト「どうしたの?二人とも 喧嘩でもしてるの」

ナナ「う~うん 何でもないわよ」

ナナは さっさと後部座席に飛び乗った

健吾「さ~行くぞ」

新型フラウンが 走り出す ブオ~オオオ~

犬の嗅覚には 新車の香は キツすぎる

ナナ「ウ~臭い だから新車はいやだわ!」

すかさず ミサトが ナナを抱っこしながら

ミサト「前の車の時は こんなオンボロ車じゃ 音がウルサくて嫌だと  言ったじゃん!」

運転しながら 健吾が 

健吾「ま!ナナは 普通の犬ではないから」 アハハ

ミサト「そうそう ナナ 旅行中は しゃべらないでね! 犬が話しをしてたら 人間さんは ビックリ して ヒックリ返るからね 分かった!」 

ナナ「ワン それも面白いけどね」

健吾「駄目だよ ナナ 言う事聞かないと」

やがて 車は 高速北陸道に

変わっていた 加賀インターを過ぎて 尼御前サービスエリアに 滑り込んだ。

健吾「ウ~トイレに行きたい」 二人と 一匹は お手洗いに駆け込んだ?

サービスエリアの中で 大好きな フランクフルトを 買ってもらい ご機嫌なナナ

主人夫婦は お茶と鯛めしを 買っていた。

健吾が 地図を広げながら 

健吾「さて お姉さんの家に行くのは 早すぎるので 何処かに 寄って行こうか?」

ミサト「私 温泉に入りたいわ 近くに 栗津温泉が 有るから あなた 行ける?」

地図を見ながら

健吾「うん!片山津インターで下りたら 近いな!」

ナナ(人間は 温泉が好きだね~まったく ブツブツ)

ミサト「ナナ!文句あるの!」

ナナ「いえ!文句だなんて とんでもない エヘヘヘ」

片山津インターで降り 栗津温泉に向かう

健吾「温泉に入り 昼でも食べよう」

ナナ「賛成」

ナナはミサトの顔を なめ回して 大喜び

ナナ「だって お腹が空いたもん」

健吾「あそこなら 良さそうだな」

健吾の声に 右前方にデーンと 建つ阿波津グランドホテル望山閣  

日帰り温泉

健吾「最高の露天風呂だ~」      

健吾はドライブの疲れも すっかり取れて ご機嫌で部屋に戻った。

テーブルに 豪華な昼食が並んでいた。

健吾「さすが!日本海 魚がうまい ナナどうだ うまいだろう」

ナナ「うまい ワン」

アハハハ

ミサト「魚介類は 海辺が最高に美味しいね」

ミサトも満足な顔をしていた。

健吾「さ!お姉さん所まで ノンストップで行くか」 ブオオオ~

やがて 姉(今井)の家近くまで 来たとき ナナは異常な霊気を 感じた。

ミサト「こんにちは~」

姉「いらしゃい~ミサト久しぶりだね」

ミサト「ほんとね」

玄関から 廊下を通り 応接間に入る

ミサト「凄い綺麗ね」

姉「うん去年内装かえたのよ」

部屋の中を見回す健吾

姉「家自体はは古いのよ 中だけ使いやすく改装したの」

姉「あ!この子がナナちゃんね 可愛いわ~」

姉の咲恵が ナナの頭をなぜた。

ミサトの姉に 愛嬌を振りまきながらナナは 注意を怠らなかった。

ナナ(少し 家の中を見てこよう)

ミサト「ナナ あちこち行ったら だめよ!」

ミサトの言葉も 聞こえない ふりして 隣の部屋に

ナナ(何もないね~)

ナナ(うん!?)

廊下に出たとき ナナの全身の毛が逆立った。

ナナ(こ、これは)

その時 二階から 娘の恵子が降りてきて ナナを見つけた。

恵子「ナナちゃんね コッチにおいで!」

その声に振り向く ナナ

恵子の背後に 黒い影が!

ナナ(こ、これは死霊送り女だ!)

ナナが身構えた。

次の瞬間 フ~と影が消え去った。

ナナ(逃がすものか)

恵子の立っている脇を すり抜け 死霊を追う

恵子「あれ!ナナちゃん何処いくの?」     

その声を聞きながら 白壁土蔵の中へ入るナナ

ナナ「送り女!居るのは分かっているのよ」

土蔵の中でナナの声が こだまする

ナナ「出てこないと 結界の檻の中に入れ二度と 現界へ戻れない様にするよ」

ナナの言葉に 渋々姿を現した 

赤い服きた女の霊「いやな犬だね~まったく」

ナナ「送り女が ナゼこの家に 住み着いてるの」

その言葉に キッと目をつり上げ

赤い服きた女の霊「お前が家に入った時 表鬼門(北東)は 霊視したろう」

ナナ「ええ!しっかりとね」

赤い服きた女の霊「だが裏鬼門(南西)は よく見なかった 様だね フフフ」

不気味に笑う死霊送り女 ナナの顔色が変わった

ナナ「ま、まさか南西に トイレが!」

赤い服きた女の霊「その まさかだよ 裏鬼門に不浄な水の流れが 有れば あの世への通り道さ」

ナナ「それで 分かった恵子さんに 憑いていた訳が」

赤い服きた女の霊「あの娘は 死界に連れて行くよ」

ナナは死霊送り女の目を しっかり見つめ

ナナ「そんな事はさせない 手を引いた方がいいよ」

赤い服きた女の霊「ケッ 私の邪魔を するつもりかい!」

ナナは送り女の  殺気を感じ取っていた。

ナナ「ム!来るな」

ナナが感じたその時 死霊の口から死死粉塵が    吐き出されナナを襲う

ブワア~ッ 死死粉塵がナナに迫る

ナナ「南無浄霊霊粉封印ハ~ッ」

ナナの真言が 死死粉塵を封じ込め 消滅させた。

赤い服きた女の霊「グ、私の粉塵を 消し去るとは」

目を丸くしながら 驚いた表情の死霊送り女

ナナ「行くよ 死霊 覚悟!」

ナナの瞳が光る。 ナナの迫力に後ずさりする 送り女

赤い服きた女の霊「待って 私は死界の規則に従っているだけ お前と闘う理由が無いじゃないか」

必死にナナに 自分の正当性を言い訳する 死霊送り女

赤い服きた女の霊「とにかく あのトイレさえ 位置を裏鬼門から外して もらえれば文句はないよ!」

よく考えたら 死霊の言う事も一理あるので ナナは 

ナナ「トイレの位置さえ変えれば 本当に~いいんだね?」 

赤い服きた女の霊「ああ 私も死人送りに 忙しいのでね 早くしてくれると 有り難いんだけど」

ナナ「分かったわ 家の人に話してみる」 

遠くから ナナを呼ぶ ミサトの声が

ナナ(今行くわよ)ワンワン

ミサト「何処にいたのナナ?」

中庭まで 迎えに来た

ミサトに 今起こった出来事を内緒話しでミサトに 伝えた。

ミサト「ほんと!今恵子ちゃんから 怖い話し聞いた所よ それで色々分かったわ」

後は 私に任せてと ミサトは ナナを連れて 応接間に戻った。

ミサト「お姉さんトイレて 裏鬼門に当たるんだよね 不浄の流れは 絶対良くないよ恵子ちゃんが 怖い夢見るのも 裏鬼門が原因だと 思うよ」

驚いた顔で姉が

姉「ミサト あんた家相も見るの?」 エヘヘヘ   笑いながら

姉「実は 自分たちの家を造るとき 少し家相の勉強したのよ」

姉「なんだ~そうなの でもトイレが裏鬼門に当たっている なんて知らなかったわ」

ミサトは ナナを見ながら 

ナナ「トイレの位置を直せば もう怖い夢見ないわよ」

と姉と娘の恵子に告げた。

姉「分かった 言う通り 大至急直すわ!」

 

さ~今夜は 久しぶりに姉妹が揃ったで 飲めや歌えや  ハデに行こう! 

数日後 姉からの電話で トイレを直したら 恵子も夢を見なくなり

すっかり 良くなり 会社に行っている ミサトに感謝していると告げ電話は切れた。

ミサト「ナナ 恵子ちゃん 良くなったて これも ナナのお陰よ有り難う」

チュ~

ナナ「ウヒヒヒ 女同士で キスしてもね」

照れる 幽界犬ナナ アハハハ ナナとミサトの笑い声が 澄んだ青空に 風に吹かれて 飛ん行った。                                  第一話 終わり