世の中 善も居れば悪も居る そんな世の中には 殺しを職業としている
殺しの ライセンスを持った 人間もいる 善がすべて正しいとは 限らない
悪がすべて 悪いとは言えない世の中 奇想天外なテクニックで 人を裁く
殺しのライセンス お楽しみください。
第一話 完全犯罪
東京 某所 5階建ての ビル3階の 個人の探偵事務所
竜田 翔太(26歳)
竜田(ああ~今日は 誰も依頼に来ないな~)
この男 元プロ野球 東京大巨人の ピチャーをしていた
高卒後 ドラフトで 大巨人2位で プロ野球に 最速166キロを
誇る 豪速球のピッチャーで あったが 監督とそりが合わず 退職
二年前に 探偵事務所を開設 188cmの身長とイケメンで
女性には 人気が有った。 だが この男には 裏の顔がある!
竜田(さて 昼飯でも 食いに行くか)
愛車の白い車に乗り 六本木に在るパスタの店へ
店内は 若い人達で賑わっていた 真ん中のテーブルに 案内され
注文する(一人で食べるのも 仕方ないか)薄笑いを浮かべ料理を待った。
前方からスラリとした サングラスを掛けた女と背の低い男が
竜田の席に 近ずいて来た 女のブランドバッグに 目をやった
バッグのイニシャルの下に 小さい文字で エースの竜と電話番号が書いてあった
素早く 読み取った 竜田は 後方の席に着いた 男女に振り返った
女が サングラスを取り ニャリと
竜田(こいつら 俺の正体を知っているのか!)
その時 竜田のスマホが 鳴った 見ると先ほどの 女のバッグに書かれていた
番号であった 一瞬出るのを 迷ったが
竜田(どうせ今日は 暇だし出てみるか)
竜田(だれだ!)
男(食事中 すまないね~)
竜田(なぜ 俺を知っている?)
男(ふふふ 殺しのライセンス持つ人間は 日本国中 数人しかいないからね)
男(我々の情報網に 君の殺しのテクニックが 一致したんだよ 是非会いたいのだが)
竜田(なるほど それで手の込んだ 連絡を入れたのか?)
男(君にコンタクトを 取るのは初めての事だから 慎重にしたまでだ)
竜田(わかった)
男(明日赤坂に有る 料亭千舞鶴に 11時に来て貰えないかね!報酬は現金で払う)
竜田(ふふふ俺は 高いぜ)
男(ああ 十分承知してる 希望の額を払おう)
竜田(わかった イイだろう 男女はどうする!奴らは俺の顔見てるからな)
男(男と女は こちらで始末する 君が手を汚す事は無い)
竜田(では明日11時に)
愛車ロを 赤坂の料亭千舞鶴の 駐車場に降り立つ 竜田
あたりを見回し 料亭の玄関に向かった。
さすが赤坂の 料亭だけの事は有る
きらびやかな 装飾ゃ豪華な置物が 並んでいた。
女将(お客様おみえです)
男(通してくれ)
男のだみ声がし 部屋に入った 竜田は その男見て
竜田(どこかで見た顔)と 座椅子に座った
男(いつパイどうだ?)
竜田(嫌遠慮する 仕事の話で来たからな)
男(そうか ワシは 城南医師会の権藤だ)
どこかで 見た顔だと 思ったら 城南医師会の権藤か
竜田(その権藤さんが俺に用途は)
権藤(実は君も知ってると 思うが キラリの蔓延で 政府に有る事無いこ事 たきっけて
政府から 金を巻き上げ 私腹を肥やした奴がいるのだ しかも今度は
我々城南医師会 を 潰しにきたんだ 私としては そいつを消して欲しいのだが)
竜田(身内の喧嘩に 俺は興味が無いが!)
権藤(頼む 前金で1億5千万現金で出す 仕事が済んだら 残りを君の口座に)
む~3億か~この所探偵の仕事もないしな
竜田(わかった引き受けよう)
権藤(おお!引き受けてくれるか ありがたい)
竜田(で、相手は?)
権藤(東日本の医師会の 理事長 正美 修一郎だ)
竜田(あいつか キラリは死の病とか 言って 国民を騙した張本人だな)
竜田(権藤さん 了解した今月中に 奴を消してやるよ)
権藤(頼むが 一つだけ 条件がある!)
竜田(条件?)
権藤(君は 殺しのライセンスを 持つ男だろう、今度の仕事は 完全犯罪で 頼む)
内心 えらい事いう 爺さんだなーと思ったが
竜田(完全犯罪!無理な注文だぜ)
権藤(頼む 後2億だすから)
さすがに5億の仕事と なれば断る理由が無い
竜田 (わかった 何とかやってみょう ただし完全犯罪成るか どうかは分らんがな)
竜田は 完全犯罪を どうやるか 高速道路を走りながら ふ~とため息をついた
竜田は 理事長 正美 修一郎の 動向を探る為 都内のマンションの 向かい側ビルの屋上に居た。
正美が居るマンションは 愛人の崎山の部屋に どうやら居るらしい
竜田(覗きは俺の趣味ではないが この際仕方ない)
双眼鏡で 愛人の部屋を監視する
カーテンのすき間から 男の姿が見えた
竜田(あれが理事長の 正美か!)
その時 背後に 鋭い殺気を感じ 振り向く
竜田(ム!何者だ)
そこには 痩せた背の高い男が 立っていた
男(ほう!同業者が居たのか?)
竜田(ム!お前も正美を 狙って来たのか?)
男(そうなら どうする!)
竜田(そちらわ 手を引いた方が 身の為だが)
男(俺は あるシンジケートから奴を 消すように 頼まれているのでね 後には引けん)
アチョ~ いきなり 男が蹴りこんで来た
ギリギリの所で交わした
竜田(拳法か?)
陳(おれは 陳 義堂 中国拳法流れをくむ 骨法の餌食になれ)
【注】 中国4000年の少林寺拳法の 流れをくむ 殺人拳と言われる 少林寺骨法
その達人 陳 義堂(ちん ぎどう)さる シンジケートの殺し屋
ハ~ツ~” 続けて 左の蹴りが飛んできた
竜田(く!動きが速い)
ガシ~ン
右膝で受ける 竜田も 空手と柔道の黒帯ながら 骨法の速さに驚く
続けて 陳の早い 突きを 受けながら
竜田(こいつは やばいぞ)
陳(ふふふ どうした 我が拳法に 驚いているょうだな)
顔から 汗がしたたり落ちる
竜田(仕方ない 奥の手を使うか!)
陳 義堂が 詰め寄った時 竜田の右腕 袖の中から デレンジャーが火を噴いた
グオ~
陳(ひ、卑怯な そんな所に 銃が!)
竜田(悪く思うなよ これも仕事だ)
よろよろと よろけながら 非常階段の方に 倒れ込む 陳
竜田(陳さん お先に失礼するよ 9mlの玉 だから 死にはしないよ 又な)
竜田はエレベーターに飛び乗った。
【注】 デレンジャー アメリカの護身用として 開発された 小さな銃
アメリカ 大統領のリンカーンを 暗殺した 銃として有名である
ちなみに 弾は9mlなので 打たれても命には 別状ないが
リンカーンは 至近距離から 頭を打ち抜かれ 亡くなった歴史が有る。
竜田はエレベーターの中
竜田(く!骨法の膝蹴りを受けた時 あばら骨が折れたな)
息をすると 激痛が走る 地下の駐車場に 置いてある 愛車を走らせた
ブオオ~オ~ 首都高を 飛ばしながら バックミラーに 視線を向けた
後ろから ツインタボー独特のカン高い爆音が聞こえて 竜田を追い抜いた
竜田(ム!タウンタック バヤルドか 相手は560PS有るからな 勝負ならん)
みるみる 竜田の車が 置いて行かれる
竜田(どこかのセレブが 運転してたな)
やがて竜田の マンションが 見えて来た 地下駐車場に 入った
先ほど 追い抜いて行った 黄色のバヤルドが 目に留まった
竜田(ココの住人か?)
車を降りたその時
女(ミスター竜田!)
振り向くと 女が 立っていた
身構えながら
竜田(俺の名を知っている あんたは!)
女(私は権藤のメッセンジャーです 貴方に 正美 修一郎の資料を届けに)
竜田(そうか では貰おうか)
女(残念ですが直接 貴方の部屋で開く様に権藤が)
仕方なく 部屋に女を入れ パソコンにUSBを差し込んだ
正美の 1か月の行動が 流れていた。
竜田(なるほどね~これを 繰り返しているのか)
女が 勝手に冷蔵庫を開け ビールを飲んでいる
竜田(もう 用は無いから帰ってくれ)
女(まだよ!貴方に 忠告が二つ有るの ライバルが 二人正美を消しに来てるわ)
竜田(ほう!ライバルね)
女(一人はベビーフェイスと言われる 凄腕の 暗殺者の女)
竜田(女ね~もう一人は?)
女(中国骨法の達人よ)
竜田(あいつとは 勝負はついてるよ)
女(ほほほ シンジケートを甘く見ない方が!)
竜田(あいつは 今頃病院のベットの上だぜ)
ゆっくり タバコを吹かす 竜田
竜田(さて 俺は女には 用がないので サッサと帰ってくれ)
女(フン)
勢い良く ドアを閉めて 女が出て行った 竜田は 正美の動画を見て
竜田(ゴルフ場では 俺の隠れる場所が無いな 人通りが多くて 目立たない場所が ないかな)
その時正美が 月に一度 渋谷のゴルフショツプに 通っている場面を見た
竜田(ここだ!渋谷のスクランブル交差点で 殺るか ここなら)
竜田(人混みに 紛れて 逃げやすいしな)
ふふふ 笑いながらパソコンを閉じた
当日竜田は 冷蔵庫から カチカチに冷えた 氷の塊を保冷バッグに入た
地下鉄で渋谷に 相変わらずの人出で 賑わっていた
やがて いつもの時間通りに 正美が地下通路から 秘書の中川を 連れて 現れた
竜田(来たか!)
二人の後を 付けながら チャンスを伺っていた。
やがて ゴルフショツプの店に行く為 交差点を左に曲がろうと していた
チャンス 素早く 保冷バッグから 氷のボウルを取り出し
竜田(俺の 豪速スライダーを受けてみろ)
ムン 竜田の右腕から 放たれた166キロの 永の塊が 鋭くスライドし
正美の後頭部に 直撃
ガシ~ン
ぐえー正美は 路上に倒れた 先生!先生!秘書が 叫ぶ
何事かと 野次馬が 集まって来た!
内心
竜田(やったな)
足早にその場を 去る竜田
正美は おびただしい鮮血のなか息絶えていた。
やがて 特別起動捜査隊と 鑑識班が 到着
鑑識班(これは ひどいな 鈍器のような物で 殴られた要だ)
鑑識班(探せ)
機動隊の主任(目撃者もな!)
機動隊の主任から 檄が飛ぶ
鑑識が着いた頃は
もう 永の塊は 溶けて水に成っていた
水を見て ペットボトルの水と 鑑識も気にもしない もちろん永から指紋も出るはずも無い
テレビニュースに 東日本の医師会理事長 正美 修一郎の死を 告げていた
権藤(さすが 殺しのライセンス持つ男だ)
ほほ笑む権藤
その時権藤のスマホに 着信が
権藤(おう!君か さすがだ 感心したよ)
竜田(権藤さん 約束通り 完全犯罪で 正美を消したよ)
権藤(分かっている 残りの金は 君の口座に 今から振り込むよ)
権藤は インタネット バンキングから 竜田の口座に振り込んだ
権藤(竜田君 今でも大巨人のエースで出来る イイ コントロールだ)
竜田(昔の夢物語さ 今じゃ殺しのライセンスを 持つ男だからな)
ワハハハ 笑い声共に 日本犯罪史上数件しかない
完全犯罪が 成立したのである。
第一話 完全犯罪 おわり