妖獣ハンター 魔衣 第4話 キングライラ vs 妖獣ハンター魔衣

3連休を利用して久し振りに長野に 来ています。

両親は温泉が楽しみだと話していました。

パパの愛車、新型レクサス 以前の車 クラウンを 下取りにして買いました。

前の車より中が 広いので私も気に 入っています。

パパは今度はベンッを 買うぞと、もう何年も先の話を してママに怒られ ていました。

困ったパパですが私と妹は好きです。

最近パパは チョット ウザイ事も あるのですが まあ合格点です。

やがて車は 飯田インターを降りて天竜方面 に走り出しました。

「もうすぐ旅館に着くよ。」  「何と言う旅館なの?」

「えーと?」  「確か天龍閣だと思ったけど?」  

「おいおいお前が聞いたんだろ!」 「アンタが聞いたのでしよ!」 

う!ヤバイ。  また喧嘩が始まりそうだ。私と妹は顔を 

見合わせ舌を出していた。

まっ!夫婦喧嘩は犬も 喰わないと昔の人は 言ったとか?

やがて 小高い丘にそそり 立つ天竜閣が 見えてきた。

「あそこだ。景色が良さそう!」

新しい部屋は 8畳と10畳の 部屋に 露天風呂付でした。

「お!いい部屋だな~。」 「ホント部屋に露天風呂が有り 良かったわ~」

(さっきの喧嘩はもう仲直り) 「今日は早く終わったね。」 と妹 

「旅行に来てまで喧嘩じゃね~」 「さ~まず 大浴場に行くよ~」

ママの一声で屋上に有る檜の 大浴場に・・・「わあ最高だあ。」

ママの はしゃぎ様は 小学生並み。私と妹は はしゃぐ様な事でも

ないのに 大人は 単純だねと 姉妹は 笑っていた。

おばさん二人が入って来た。「こんばんは。」 「どこから来たのですか?」

ママと二人のおばさん達の 会話を後にして、

私達は屋上の風呂を出ました。 「ふー、熱かったあ。」

「ホント、湯だってしまうよ。」 パパは 部屋付きの露天風呂に入ってかな

妹が 私の顔を 見て  「お姉ちゃんの顔、ゆでタコみたい!」

「ム!あんただって ブタマン顔だよ?。」 「げ!ひどい アハハハ」

笑いながら部屋に戻り窓のドアを開けた。ふと見上げると見慣れたカラスが・・・。

「シバどうしてこんな所まで?」

「大切な話があるんだ。夜中2時に 天竜公園で待っている。」

「えーそんなー旅行で来てるのに」  「いいな必ず来い!」

「分った行くわ」  「お姉ちゃん、何を ブツブツ独り言を 言っているの?」

「う!なんでもないよ。」  「へー、もうボケたのかと思った。」

「この若さでそれは言い過ぎだよ。」   「へへへ ごめん ごめん」

「おう、二人共早いなママは?」  「まだ、お風呂だよ。」   

「長いな~女の風呂は!」 やがて夕食の時間になり・・

「凄いご馳走、美味そうだ!」   「さあ、食べよう!」

色々な会席料理を 家族で食べるのは 何年ぶりでした。

夜中周りを見渡すと、両親も妹も旅行の  疲れかよく眠っている。

時計を見ると1時52分(そろそろ行くか)私はGパンとTシャツに着替え・・

さて、テレポートし天竜公園に・・ シュルシュル~

「シバ何処に居るの?シバ。!」

「おう、来たかこっちだ。」    「こんな夜中に何の話?」

「いやあ、お前に 会わせたい人が いるんでな。」

「えー、誰なの?」 異様な妖気が流れた。その向こうから低い 男の声が・・。

「お前が 超能力使う 小娘か?」     「誰ですか?」      

「俺はキングライラだ よく来たな ふふふ お手見拝見とするか! 」    

いきなりライラの右手からデスボンバーが放たれた。

”ドウーン”寸前の所で避ける魔衣。  「シバ 裏切ったね!」

「ふふふ、所詮子供だな。簡単に引っ かかるとわ。」

「えっ?シバでは ないの?」  カカカ 大声出して笑うカラス

「小娘 もう一度デスボンバーをおみまいしよう。」

”ドウーン”魔衣は素早く印を切ると 全方向衝撃吸収シールドを張った・・・。

「なるほど!子供の割りにはやるな。」

「だが、このライラ様には そんなシールドは 問題外だ!!」

今度は左手から サイクロンチョッパーが 放たれた。 グワワワ~ン

”バリバリ~”凄まじい圧力でシールドが 破れだした。

「信じられないわ。このシールドを 破るなんて!」

「ワハハハ、この程度で エスパーとは 笑わせる。死ぬがいい。」

再びデスボンバーが放たれた。 ”ガシャーン” シールドは壊され、魔衣は

30メートル近くも吹き飛ばされた。 「うーん。」かなりのダメージを受けたようだ。

その時カラスが、「ライラ様 」  [ム!どうした」 「仲間より連絡が入ってきました」

「今、ちょうど良い大物政治家が 死ぬ寸前とのことです」

「そうか死の寸前か では小娘は  お前に任せて行くか!」

「お任せを!ライラ様遅れると妖態 (妖獣と人間の合体) 出来なくなります」

「分った。後は任せるぞ」    「ハッ!」

キングライラは テレポートでいずれかへ 飛んで行った。

「ふふふ、魔衣、俺の正体を見せてやる。」 バリバリバリ~カラスが変身した。

「ウソー、お前はシバに 化けた 妖獣か!」

「ふふふ、元気がいいな。俺はカリバだ。さあ、立ち上がって 俺と戦う事が 

出来るかな?」

「出来るさ!」と、立ち上がる魔衣。 「ふふふ、俺のカブルーストレートを 受けてみろ。」

”ドシューン” カリバが放った瞬間、

傷ついた 魔衣も同時に ミラートランプを 投げつけた。

”グワーン”爆発が聞こえた ・・。 「おお、これは一体どうした事だ。」

カリバが驚くのも無理は無い。 空中に 沢山の魔衣の姿が、浮かんで見えたのだ。

「クソー、連射だ」  グワーン グワーン 魔衣に命中しているのだが!

「どれが本物か分らん?」    「妖獣の割りには、情けないね!」

「なめるなよ お前なんか、これで十分だ!」カリバが左手から、フリーズクラッカーを

投げつける。 グワーン魔依の手前で爆発する

「どうだ!ム、いないぞ!」 周りを見渡しても 魔衣の姿はなかった。

「噂ほどではなかったな?」   その時、カリバの頭上から、

「何処を 見ているんだよ」 カリバの上空に魔衣が 「い、いつの間に!」   

「さーどうするの?動けばシルバークロスを お見舞いするよ」

「クウウ~殺せ!」 魔依は カリバの前方に 降り立ち

「あんたは、そんなに 悪い妖獣じゃない様な 気がするの!」 

「だからなんだ?・・・」  「だから、今回だけは 見逃してあげる!」

「甘いな!今、殺さないと又お前と戦う 事になるぞ」

「今度は、魔衣も遠慮なしでやるわ」

「うわさ道理、凄い娘だが、フフフ 後で悔するぞ!」

 捨て台詞を吐いて、カリバ が去って行った。

「ふ~ふ~あちこち痛い。こんな体では、 キングライラを追う事は 無理だ~」

早く旅館に帰らないと、魔衣は力を振り絞り  旅館めがけてテレポートした。

皆はグーグーよく寝ていた。 一人で24時間OKの部屋付き露天風呂に入り、

傷を癒しながら

「うーん、凄いやつも いるもんだ危なかった。 しかし、大物政治家

 て誰だろう?家に帰ったら、シバに聞いてみよ~っと」

ふと 近くの別のホテルの 窓に目をやると、 確かに誰か覗いているような?

「わ!チカンだ、どうしよう」 慌てて、バスタオルで隠しながら、 脱衣室へ

「あ~驚いた。覗きHマンて本当に居るんだ?早く寝よ・・・」

翌朝、朝食の時TVで 大物政治家がトンデモ 無い事を言っていた。

65歳以上の老人は、安楽死を認めるべきだと!国会は蜂の巣を突いた様な騒ぎで、

何やらの評論家も早口で、反対をまくし立てていた。

私は昨晩のライラの言葉を思い出していた

(まさか あの大物政治家はキングライラが 妖態したのか? 大変な事になる)

「魔衣、何考えているの?早く食べて 出発しないと、りんご狩りが出来ないよ」

「うん、今食べる」 「お姉ちゃん、リンゴ沢山獲ろうね」「うん」力無く、私は答えた・・・

楽しい2泊3日の旅行も終わり、やっと我が家へ着いた。

「あ~家が一番だ!」と パパ。明日から また仕事だと、気合を入れていた。

私は二階の自分の部屋に入り、お土産の りんご人形を目の前の 机に飾った。

ふと、窓の外を見ると、またカラスが 覗いていた。

「シバなの?」    「おう 元気で帰ったな!」

「本当にシバなの?」    「どうしたんだ?ワシはワシさ?」

「ふ~、また偽者かな?と思っちゃった」   「何だと、ワシの偽者?いつだ」

「実は・・・」  と旅行先で起こった出来事を シバに話したのである。

「待てよ。ワシに化け奴、何と言う名だ!?」 「確か、カリバと言ったわ」

「カリバ、奴か」    「知っているの?」

「ああ、やつは誰にでも 変身する事が できる妖獣さ!」

「ふーん、それよりシバ、キングライラて 知っている?」

「何だと、キングライラか デスボンバーの 使い手だ。まさか奴と戦ったのか?」

「うん!」 「よく無事だったな」 「でも、シールドを破られて、ブッ飛ばされたわ」

「その位で運が良い、デスボンバーRを食ったら、まず粉々になって 

 今頃はこの世に 居ないぞ!!」

「ふ~ん そんなに 凄い相手なんだ でも今度は負けないよ」

その頃、大物政治家・合田太郎に妖態した キングライラは、秘書付きの大型高級車で

赤坂にある料亭に向かっていた。

「おい!今度の法案が通れば、われわれ 保守党は一気に逆転だな!」

「ハイ、先生」   「フフフ」不適な笑みを見せる合田、

その裏には恐ろしい 陰謀が渦巻いていたのである。

即ち、安楽死が増えれば、妖態(妖獣と人間との合体)が増える事になる。

妖態するには、死の直前に合体しなくては、ならないからである。

古代妖獣は人間を支配するため、人間の リーダーに妖態して、他の人間を奴隷化

してきたのであった。「フフフ、これから面白くなるな」 「先生の言う通りです」

秘書は、目の前にいる合田代議士が、妖獣と知ったら 腰を抜かすであろう。

「遅いな」合田は時計を見ながら、つぶやいた。

カリバからの連絡が、もう来てもいい頃である。

やがて、車は赤坂の 高級料亭・貴賓閣に 滑り込んだ。

「ここから先は、私一人でいい!」 「分りました では帰ります」

秘書を帰した合田は、出迎えの女将に 連れられ、ある部屋に!

「女将、これから内密の話が有る。誰も取り次ぐな」

「はい、その様に致します」 先客と目を合わせた。  辺りを慎重に 

見回し おもむろに  合田は「ふふふ、久し振りだな」

「お前も上手く、妖態したな!ワハハハ」  もう一人は、厚生省の役人に妖態した

バモンドであった。 「ところで、カリバの奴何をしているのだ?やけに遅いな!

[まさか、あんな小娘に られはしまいに!」  「小娘?」

「おう、魔衣とか言う、超能力を使う 小娘だ!] 

「な!何だって!」バモンドの顔色が変わった。

「ライラ!お前 伝説を知らないのか?」 「伝説?まさか あの伝説か!」

バモンドは 最近伝説の剣(つるぎ)を持つ小娘が現れたと 妖獣仲間から

噂を聞いている 事を ライラに伝えた。

「あの小娘が 伝説の妖獣ハンターか!クソ あの時 殺しておくべき だった」

二人はしばらく 沈黙後 「まずいな! 何としても 小娘を 消さないと」

「俺に任せとけ 必ず小娘の息の根 止めてやる」

キング ライラの目が光った。 

その頃 魔衣とシバは  「ハクション!うー誰か噂してるな」

「魔衣、キングライラが 相手では危険だな」  「うん、でもやらなければ」

「よし お前がその気ならライラの居場所を 妖気をたどって行けば、分るかもな?」

カラスのシバは 周りの空気を 胸一杯吸い込んだ。

「む!こっちだ」 妖気が東に流れている。」 「OK、妖気に乗りテレポートしよう」 

 ブンーン。 「この近くに居るはずだ!」  「ここ どこ?」

「東京だ」  「え!東京か 小学校の修学旅行で 来た事有るよ」」

やがて、妖気の先に貴賓閣が見えてきた。  「あの中だ」

「うん、感じる。それも、もう一人居る 様だね」  「2対2か、行くぞ」      

「ム!何者だ」 気配に気づき、ライラが 身構える。

バシャゥー 魔衣の右手から、ファイヤークロスビームが放たれた。

ライラの左手からサイクロンチョッパーが!ぶつかり合うエネルギーで

周りの 温度が急上昇。 「バモンド、ここは俺一人で大丈夫だ」

「頼むぞ!」 バモンドは、キング ライラに頼んで 空高く舞い上がった。

「シバ、あっちを追って!」   「任せろ!」

「ふふふ、お前が 伝説の妖獣ハンターだったとは 殺すには 気が進まんが

 伝説は 俺が 終わらせて やる くらえー」

デスボンバーR(超高熱破壊光線)が 魔衣を襲う。

”ハーッ” 魔依は 素早く

ダブル クロスミラーをデスボンバーRに 向かって、放った。

”ガワシャーン”  バシバシ~

ライラが放ったボンバーRが Wクロスミラーによって逆反射して、キングライラに・・

”ギャオーンー”  「くそ」  ライラの体から 溶液が流れでる

「俺の体に傷を付けるとは!死ね!」 サイクロンチョッパーが、唸りを上げる

寸前の所で交す魔衣! 「噂以上にやるじゃないか!だが、今度は 逃げれないぞ」

「フフフ、超 広角デスボンバーRをくらって、地獄へ落ちろ」

「それは、こちらのセリフだよ!」   キングライラが 広角デスボンバーを放つ前に、

魔衣がファイヤークロスビームを放った。  ”グォォーン” 凄まじいごう音と共に、

辺り一面が高熱火渦に巻き込まれた。

「グェー、恐ろしい小娘!妖獣ハンター魔衣!残念だが 俺の負けだ!」

ライラの体が炎に包まれ、燃え落ちて行く。”ガ~オ~ン” それが最後だった。

「魔衣!」  「あ!シバ、もう一人は?」 「すまん。見失った!よくやったな」

「私が勝つなんて、信じられないわ?」

「ワシも 信じられんけど、お前は戦うたびに 強くなっていくな」

「そんな事ないよ・・・」

「いや、キングライラの一瞬のスキを逃さず 見事に勝った」

「うん、何とかね」

「これから先、どんなパワーを持った妖獣が 現れるかも 油断出来ないぞ」

「それより お腹が減ったわ お好み焼き食べに 行きたいよ~!」

苦笑する シバ 「まだまだ 子供じゃな やれやれ 」

あくる日の新聞は、合田代議士が心不全で亡くなったと、ニュースで合田氏の死去で、

例の法案は立ち消えになったと、TVアナが報じていました。                  

             第4話  完

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