第2話 ひき逃げにあった男
恐ろしい顔した霊が 星野に近づいて来た
男の霊(お前!見えるだろう?)
目の前に 頭から血を流した霊が 立っていた
男の霊(お前 俺が分かるよな)
星野(この霊は 私が見える事を 知っている様だな)
星野は話を聞いてやるか
星野(ああ、見えてるよ アンタはなぜ この車に憑いてきたんだ?)
男の霊(おお!ヤッパリ見えるのだな)
霊は嬉しそうな顔して 星野に訴えた
いままで 多くの人に 話掛けたが
誰も聞いてくれなかったと
涙ながらに語り急に 怒りだし
男の霊(俺をこんな目にした奴は 許せん 殺してやる)
星野(まてまて、 アンタは もう死んでいるだから 早く上の世界に行かないと)
男の霊(上の世界?何だそりゃ?)
星野(人間死んだら まず精霊界に行くんだよ)
男の霊(何を ボケた事言ってるんだ 俺はここに 居るじゃないか)
男の霊(だから!もう死んでいるの アンタ交通事故か 何か 覚えが無いのか?)
男の霊が 考えながら
男の霊(待てよ 昨夜は 飲み過ぎて何処かで寝てたな)
そう霊が話した
瞬間星野の目の前に 男が道路で寝込み 跳ねられた映像が流れた
星野(それで 死んだと認識できないのか!)
男の霊は 事態が良く分っていない様だ
星野(アンタは昨夜 酔って道路で寝て 車に引かれたんだよ)
男の霊(え~俺が引かれた車に)
呆然とする 霊
男の霊(おれは どうすれば良いんだ)
星野(だからアンタは死んでるの)
男の霊(そうか!では 俺を跳ねた車の持ち主は 何処にいる?)
星野は車を見て
星野(多分この車が 跳ねて 事件発覚を 恐れて売り飛ばしたんだな)
男の霊(くそ 俺をこんな目に合わせやがって 殺してやる)
怒り心頭の霊に
星野(持ち主は 直ぐに分かるから アンタは早く 向こうの世界に行かないと)
星野(私が警察に 連絡しておくから 安心して 向こうの世界に行きなさい)
男の霊(お前は 何者なんだ!)
星野(私は天魔師 玄鬼と言う者だ)
男の霊(何?天魔師?聞いた事無いな)
星野は 微笑みながら
星野(アンタの様な 霊を向こうに帰えす 事が出来る 人間さ)
男の霊(俺も その向こうに返して くれるのか?)
星野(もちろんアンタが望めば)
男の霊は しばらく考えて
男の霊(俺の人生 つらい事ばかりで・・・・・・)
霊は 大きなため息を ついて
男の霊(おい、天魔師 俺を送ってくれ)
星野(ああ、イイよ アンタを跳ねた奴は 私が探し出して 警察に突き出してやるから)
星野玄鬼は 直ぐに印を結び
気合と共に 男の霊を 精霊界に 送った
寺内(先輩 何かブッブッ言ってますが この車の気に 成るところ 有りますか?)
星野(うん!この車 事故車だぞ 上手く修理してあるが この下回りを 見てみろ)
寺内がフロントの下回りを 覗き込んで
寺内(あ~これですね すみません見落としです)
星野(な!最近 ベンツのひき逃げ事件有ったな 一応警察に届けた方が いいな)
寺内(さすが 星野先輩 眼力が凄いですね 早速連絡します)
星野(おう、今度また いい中古入ったら 連絡頼むよ)
星野は 営業所に 向かって 走り出したブオオオ~
第2話終